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2012.11.08

集患に役立つホームページとは?(1/3)

患者さんの役に立つホームページを作ろう!

寄稿:長渡 恒久 
ホームページ研究会 
監修:(株)ビジョンヘルスケアズ

 
 
はじめに
クリニックはホームページで増患ができる時代になってきました。
ホームページを開設してSEO対策を実施するだけで新患が前年比60%増となった例があります。
他にも、ホームページを開設したことによって患者さんが増えたという事例が多数報告されています。
その裏には、患者さんが医院を探す方法が変わってきた事実が隠れています。

『日経ヘルスケア21』の記事によると、東京都品川区のさいとうファミリークリニックでは、
この6月は“11人の禁煙外来の新患のうち9人がインターネットなどで調べてきた患者さん”だということです。
東京のある歯科クリニックは、ホームページから月間150人の新患を集めています。
また、大阪市内のあるクリニックでは、在宅患者さんの新患の40%がホームページ経由です。
この連載では、実際に効果を出しているクリニックのホームページを研究して抽出した、成功するクリニックの
ホームページの原理原則をご紹介します。
 
 
┏━┓
┃[1] 患者さんが求めている医療情報
┗━━━━━━━──────────────────────────
◆ホームページは予想以上に“見られている”

まず、患者さんは、受診する医療機関をどうやって決めているのでしょうか。2008年のあるクリニックの
来院
動機調査では一番多いのが「口コミ」でした。次に、「家族が来院しているから」、そして「近くだから」
「ハローページを見て」「ホームページを見て」と続きます。詳しくは下記のとおりです。



このデータは4年も前のデータなので、現在ではホームページを見てというのがもっと多いと推測されます。
実際に、最近の傾向から来院動機を複数回答のアンケートで調べると、だいたい40%~60%がホームペ
ージを
見たと答えています。これは「評判を聞いてからホームページで確認して来院した」、あるいは、「看
板を見
てホームページで確認して来院した」などのケースが多いためと思われます。

直接のデータではありませんが、「商品・サービス購入・利用時に重視する情報源」(マイボイスコム株式会
社 2011年7月)でもサービスの利用に際して、メーカーや店舗の公式ホームページを重視する人が43.1
%に
上ります。

□■─────────────────────────────────────────────
■□ ≫≫ 商品・サービス購入・利用時に重視する情報源 ≪≪
□■ あなたは、商品・サービス購入・利用する際に、どのような情報源を重視しますか?(複数回答可
□■─────────────────────────────────────────────

                                                                                    マイボイスコム株式会社のホームページより(2011年7月)

 
以上のことから、医療機関のホームページも来院者の半数程度は参考にしていると考えられます。


◆高齢者の利用も急速に伸びている!

このように言うと、「うちはお年寄りが多いからホームページなんて見ないよ」というドクターが必ずいら
っしゃいます。しかし、実態はもっと進んでいます。総務省の「平成21年通信利用動向調査」によると、
65-69歳のインターネットの利用率が急上昇しているのがわかります。

平成20年末から平成21年末の1年間で37.6%から58.0%へ20%以上も伸びています。たった1年間で20%
も増加しているのです!!65-69歳の約60%の人が平成21年末でインターネットを利用しています。伸び率から
考えると、平成24年の現在ではさらに増えていると推測できます。それだけではありません。
現在65-69歳の方は、5年後には70-74歳になっていることは紛れもない事実です。
同じ調査で70-74歳のインターネット利用率は32.9%ですが、5年後にはおそらく80%近くになっていると予想
できます。すなわち、今後高齢者のネット人口が急速に拡大することが予想できます。
いずれにしてもホームページが医療機関選びの重要な情報源のひとつになっていることは間違いないでしょう。


◆患者は知らないクリニックをホームページで“見ている”

ある会社経営者の話です。彼がお医者さんを探すときには最寄の駅名から近隣の医院を検索し、3医院ほどのホ
ームページを見て、自分に合いそうなところを選ぶということでした。ホームページのない医院は選択肢にも入らなく
なることになります。では、患者さんはホームページで何を見ているのでしょうか。

ここでアンケートを紹介します。

「患者・国民が求めている医療情報について」というある健康保険組合が行ったアンケートです。
それによると上位20項目は下記のようになります。

※医療機関には病院が含まれますので、クリニックには当てはまらない項目もあります。

トップはインフォームドコンセントです。
要するに、患者さんとしては、病気と治療法についてよくわかるように説明してほしい、私の話をよく聞いてほしい
ということでしょう。特に注意したいのは「医師の得意分野」、「医師・看護師などの接遇態度」「専門医療機関への
紹介」「施設の外観・内装・清潔感」です。このようなことを考えると、ホームページを作ることは医院の経営戦略を
再点検することにもなるのです。


┏━┓
┃[2 ] 患者さんはクリニックのどこを見ているか
┗━━━━━━━─────────────────────────
◆患者さん共通の視点がある

≫腕がよければ患者は口コミで増える≪

先輩の開業医からそういうことを聞いたとよく耳にします。しかし、最近は事情が少し変わってきたようです。
まず、きれいでサービスがいいのは当たり前と患者さんが思っているということです。もうひとつの患者さん
の視点の大きな特徴は、医療器具の性能ではなく、「医療器具の光り具合」を見ているということです。
患者さんは医学的な知識が十分でない場合もあり、医療器具の性能についても知らないことがたくさんあります。
どの患者さんでも共通してわかるのは、医療器具が新しいかどうか、清潔に扱われているかどうか、きれいに
掃除されているかどうかなどです。すなわち、患者さんは次のようなことを見ています。

こう見てくると、もうおわかりだと思いますが、一般のレストランも医院も、患者さんが見るところは同じということです。
患者さんとしては、ホームページで先にあげた項目、「医師の得意分野」、「医師・看護師などの接遇態度」「専門医療
機関への紹介」「施設の外観・内装・清潔感」を調べたいと思っていると考えて差し支えないでしょう。ということは、これ
らの項目をホームページで的確に表現することが大切です。


◆新しい患者さん候補を失望させないため

最後に、クリニックのホームページを作るうえで「これだけは載せたい」という項目を列挙しました。せっかくホームページ
を見に来ていただいた患者さんを失望させないために、ホームページを作る際の参考にしてください。


※ 診療科と立地条件などによって自院に合うようにアレンジしてください。

⇒⇒ 次回は、「具体的なホームページの作り方」をお伝えします。

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